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    成人はBCGをしてはダメ?

    今般の風しんの流行を受け、妊婦が風しんに感染して発生する先天性風しん症候群対策として、公費(無料)で抗体検査と予防接種を受けることができる対象者を拡大し、ワクチンの追加接種を勧められるようになりました。一方、介護施設では結核が発症したケースがあります。では、結核の場合、予防の為にワクチン(BCG)を接種した方がいいのでしょうか?結核は、結核菌により人から人に広がる慢性感染症で、50年前までは死亡原因の第1位でした。戦後は特効薬である抗結核薬の開発や生活水準の向上により、薬を飲めば完治できる時代になりましたが、1996年以降結核患者の発生件数、罹患率が増加に転じ、再興感染症(古くて新しい病気)として再び注目を浴びるようになりました。2016年の日本の罹患率が、アメリカの1970年頃の水準にあることから、日本は「結核中進国」と位置づけられています。また、新たに結核と診断される方のうち60歳以上の方が70%以上占めていて、結核患者の高齢化が進んでいます。

    感染のリスクでは、

    :免疫の弱い乳幼児やエイズ患者

    :免疫抑制のかかるような治療(ステロイドホルモン、抗がん剤、免疫抑制剤)中の人

    :糖尿病や胃の切除を受けた人等

    :更にはストレスや不規則な生活、極度な過労も感染すると発病しやすく、重症化しやすい要因になります。

    結核の予防接種であるBCGは、結核菌の感染を受けていない人に結核菌の弱毒菌を接種して結核に対する免疫をつけるワクチンで、有効期間は15ほどです。BCGの目的は、乳幼児の結核性髄膜炎と粟粒結核を予防することにあります。日本は結核の中蔓延国で、特に大都市では、東南アジア並みの罹患率ですからBCG接種をやめるわけにはいけません。ただし注意したい点は、青年や成人にBCGを打っても、肺結核の感染を予防する効果は認められていませんから不必要です。成人では、接種部位のケロイドのリスクも高まるしいわゆる疑陽性での接種は、局所反応が強くなりますので接種はしません。結核患者さんの発生に際しては、初発の患者さん、接触者の人たちのリスクをしっかり評価し、胸部レントゲンや血液検査等を実施し、感染の疑われる場合は発病予防薬の内服を行います。治療にはイソニアジドを6~9ヶ月飲むのが普通です。

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